レーザー学会と聞いて参加したら
先月リトアニアで開催されたレーザーの学会に参加してきた。「学会」という言葉を聞いての参加だったが、予想外の連続だった。そのため今回はその様子を伝えたいと思う。
8月25日、26日に開催されたLazariai Mokslas Technologijos*1というレーザー技術・理論の学会に会社単位で参加した。この学会は、リトアニア全土からレーザーの研究をしている研究者、企業、学生、興味のある個人が参加できるものである。学会と聞いたが、会場は都心から離れた場所で、日本でいう「青少年自然の家」的な場所。ある意味隔離である。
「研究者たちを隔離する目的なのか?」
っと最初思った。
学会の会場について驚いた。参加者が家族を連れてきているのだ。同僚は、子どもと奥さんを連れてきたり、恋人を連れてきたりしていた。どうやらこの学会は家族参加OKのなのだ。(愛犬を連れてきた人もいて尚驚いた。)更に、会場の外には遊技場や自然公園が併設されていたので、学会に飽きたら家族と時間を過ごすことも出来る形式になっている。しかも嬉しいことに食事は全部無料。リトアニアの美味しい食事が食べ放題であった。
「学会」という言葉を聞くと、堅いイメージを想像するが、この学会は違う。かたっ苦しいものではなく、フラットで誰でも参加できるものだ。この学会の目的について運営者に質問してみた。
“パブリックサイエンス*2に触れる機会と、他の研究者たちと家族単位での交流。そして家族との時間を過ごす”
それがこの学会の目的らしい。実際私が講演を聞いてた隣で高校生ぐらいの男の子が真剣にレーザーの話を聞いてた。一方外では、普段実験ばかりしている会社の人が、童心に返ったかのように子供と遊んでいた。
夜になると、リトアニアで有名な歌手が、星空の下、野外ライブを行った。「あれ?学会じゃなかったっけ?」っとついつい思ってしまった。キャンプファイアーあり、ダンスあり、かたやその脇で企業人がレーザー商品説明ありの物理討論あり。まさにイベント型の学会。
この場所は、都心から隔離離れた場所なので、基本みんな宿泊場で家族や友人と一夜を過ごす。
翌日は、参加者同士でサッカーの試合があったり、またレーザー討論があったりした。
こういうタイプの学会に参加したのは、生まれて初めてた。
そこで、家族を学会に連れて行く考えうるメリットについて考えてみた。
1.レーザー従事者*3の仕事・研究について理解で深められる。
2.レーザー従事者の職場での様子がわかる。
3.レーザー従事者の家族が、パブリックサイエンス*4に触れる機会を増やす。
4.レーザー従事者同士が家族単位で他者と交流を深められる。
4に関しては明らかで、彼方此方で交流が見られた。1~3は単純に評価できるものではない。そこで、私も4のメリットの恩恵を受けがてら、軽くアンケートを取ってみた*5。標本数は、11人*6。2に関しては11人皆どういう交友関係にあるかわかったと答えた。ボスや同僚を見ることで、会社にどういう人がいて、どういう仲かわかったそうだ。こういう無礼講なタイプだからこそ会社での肩書を忘れ純粋に人として接している。一方、1に関しては、正直良くわからないという人が7人いた。また3に関しては、レーザー自体の講演が難しかったためか、8人がそうは思わないと答えた。もちろんレーザーの勉強になって興味が出たという人もいた。
しかし皆口を揃えて「愉しい」と言っていた。私自身楽しかった。
こういうイベント型学会に是非また参加したいと思う*7。